作成日:2020.05.25  /  最終更新日:2020.05.25

顧問税理士と契約する5つのメリットとは?

会社にとって、お金の管理は大事な業務になります。日常の経理業務は面倒ですが、決算書を作成する上で欠かせない作業です。会計処理をどう行うべきかは悩ましい問題ですが、税理士に顧問になってもらえれば、会計指導を受けることもでき、税務申告書の作成も行ってくれます。顧問税理士に依頼できるサービスとメリットについて、解説していきます。

記帳代行および税務申告書作成業務

企業が、税理士を顧問に置くことで受けることができる最も大きな恩恵は、税務代行です。確定申告書などの税金にかかる申告や申請業務を会社に代わってすべて代行してくれます。

税務というのは非常に難解なものであり、何も知らない担当者が一から作成や申告をするのは非常に難しいです。間違えに気付かぬまま申告してしまうことで、最悪の場合、悪意がないとしてもペナルティを受けてしまう可能性もあります。

顧問税理士を置いておくと、それらの資料を作成するための情報を渡しておけば、自分は何もしなくても正しい申告書を作成してくれるのです。

また顧問税理士は、日々の経理業務の指導も行ってくれます。特にこれまで経理担当を置いておらず、事業拡大のために専属の経理担当を置いた時などに、非常に重宝します。税理士が使いやすいと感じる会計ソフトの導入支援や、適切な会計処理方法について親切丁寧に教えてもらうことができます。

さらに、経理担当を選任する余裕がないという場合は、会計記帳業務をすべて代行してくれるサービスもあります。月次決算報告を受けるだけになりますので、会計業務について頭を悩ます必要がなくなります。

起業支援および経営アドバイザーの役割

これから新たに法人を起業しようと思っている人にも、顧問税理士は役に立ちます。

会社の設立登記や新規事業の立ち上げなど、税務と関係がない業務についてのサポートを受けることができます。税理士というのは、司法書士などと提携していることがありますので、実際の書類作成や登記申請はそちらに依頼することが多いです。

当期後の各種届け出書については、税理士が直接サポートをしてくれます。また、税理士によるのですが、オフィス探しなどさまざまなサポートをしてくれる税理士もいます。

また、実際に会社を運営していくうえで、会計目線での経営アドバイスをしてくれる場合もあります。自身が目標に掲げた利益や売上に対してどの程度進捗しているのが、もし進捗が好ましくない場合、どのようなことが原因で滞ってしまっているのかを実際の会計状況に基づいてアドバイスをしてもらうことができます。

会計には、数字をもとに様々な経営指標があります。読み取り方を教えてもらうだけでも非常に有意義でしょう。

資金調達および融資対策の支援

起業をしてすぐの経営者にとって、最初に出てくる大きな壁が資金調達や融資です。企業の場合は、一般的に銀行や日本政策金融公庫から融資を受けて、事業に必要な物資の調達や当面の運営資金に充てていきます。

顧問税理士がいる場合は、資金調達のためのアドバイスや各金融機関で懇意にしている担当窓口などの紹介をしてくれるケースが多いです。金融機関としても、よく知っている顧問税理士が連れてきた企業であれば、ある程度の安心感を持つことができるので融資について話を進めやすくなる可能性が高いです。

また、融資のためには事業計画書の提出が必須事項となっています。何をするためにいくらお金が必要で、どのようにお金を稼いでいくのかについての計画書の作成サポートを受けることができます。

さらに、銀行の格付け対策をしてもらい、融資実行までのスピードを少しでも上げるようにサポートしてくれます。そのほかにも行政の助成金や補助金の活用に特化している税理士もおり、有効的に資金を活用する方法について、アドバイスをしてもらうことができるでしょう。

税務調査の立ち合い対応

会計処理が適切に行われているか、もしくは確定申告内容に不備がないかどうかの税務調査が数年おきに行われます。多くの場合は、事前に税務署から連絡があるものの、現在においてもアポなしで調査に来るという事例もあるようです。

税務署から税務調査の連絡が入った場合は、速やかに顧問税理士に連絡をし、スケジュールを確認してから調査日程を決めたほうが良いでしょう。多くの場合、税務署は日程調整に応じてくれます。

何も悪いことをしていなくても、税務調査は緊張してしまうものです。そんな税務調査には、省略や調査期間の短縮ができる制度をご存知ですか?書面添付制度という制度であり、確定申告の際に「計算事項等を記載した書面」を確定申告書に添付していると税務調査の前に税理士に連絡が入り、申告内容についての意見を述べる機会が与えられます。

ここでうまくいった場合、税務調査自体がなくなる可能性もあるのです。書面添付制度を利用する場合、月々の顧問料は高くなる可能性がありますが、いざという時に役に立つ制度です。

起業や事業拡大ならメリットは大きい

顧問税理士は、企業を考えている人はもちろんのこと、会計に不安を持っている人には非常に助かります。専門的な知識を有しているので、普段の会計業務を始め、税制改正に至るまで様々なサポートを受けることができるでしょう。気軽に相談をしに行ってみてはいかがでしょうか。

執筆者
松下早紀
松下 早紀

税理士事務所・法律事務所で長年勤務した経験を生かし、税理士の選び方や税理士報酬の仕組みなどを解説しています。税理士は一度契約すると、なかなか変更しづらいものの、探す手段も限られています。後悔しない税理士探しをするために税理士ドットコムで最適な税理士選びをオススメします。