作成日:2026.01.16  /  最終更新日:2026.03.16

法人の税理士顧問料は月額いくら?売上規模別の相場一覧

法人が税理士と顧問契約を結ぶ場合、月額顧問料の相場は2〜5万円です。ただし、この金額は売上規模・従業員数・依頼する業務範囲によって大きく変動します。この記事では、売上規模別の顧問料相場を一覧で比較し、決算申告料を含めた年間総額の考え方、そして顧問料を適正に見極めるためのポイントを解説します。

法人の税理士顧問料は月額2〜5万円が相場

法人の税理士顧問料は、月額2〜5万円が中心的な価格帯です。個人事業主の顧問料が月額1〜3万円であることと比較すると、法人はおおむね1〜2万円ほど高くなります。

この価格帯に収まる法人は、売上が数千万円〜1億円程度の中小企業が中心です。売上1億円を超える法人や、従業員数が多い法人では月額5万円以上になるケースも珍しくありません。

なお、日本税理士会連合会の公表データによると、全国の税理士登録者数は82,451人、税理士法人の届出数は5,284件です(出典 日本税理士会連合会 税理士登録者数)。これだけの税理士がいるため、同じ売上規模の法人でも事務所によって顧問料に差が出るのは当然のことです。

個人事業主より高い理由は申告の複雑さにある

法人の顧問料が個人事業主より高い理由は、法人税の申告手続きが所得税の確定申告より格段に複雑だからです。

法人税の申告書は、別表と呼ばれる書類を何十枚も作成する必要があります。法人税だけでなく、法人住民税・法人事業税・消費税と複数の税目を同時に処理しなければなりません。国税庁の規定では、法人税の申告期限は事業年度終了の日の翌日から2か月以内と定められており(出典 国税庁 法人税の申告)、この短い期間で正確な申告を行うためには専門知識が不可欠です。

さらに、法人には役員報酬の設定、社会保険の処理、株主総会の議事録作成といった個人事業にはない業務が発生します。顧問料が高い分、税理士がカバーする業務範囲も広いということです。(逆に言えば、これだけの業務を自社だけでこなすのは現実的ではありません)

売上規模別の顧問料相場をテーブルで比較

法人の顧問料は売上規模によって段階的に変わります。以下は、編集部が調査した売上規模別の月額顧問料相場です。

売上規模 月額顧問料の目安 決算申告料の目安 年間総額の目安
1,000万円以下 月額1.5〜2.5万円 10〜15万円 28〜45万円
1,000万〜3,000万円 月額2〜3万円 15〜20万円 39〜56万円
3,000万〜5,000万円 月額3〜4万円 15〜25万円 51〜73万円
5,000万〜1億円 月額3.5〜5万円 20〜30万円 62〜90万円
1億〜3億円 月額5〜8万円 25〜40万円 85〜136万円
3億円以上 月額8万円〜 30万円〜 126万円〜

この相場はあくまで目安であり、記帳代行の有無・訪問頻度・業種によって変動します。同じ売上規模でも、仕訳数が多い業種(飲食業・小売業など)は顧問料が高くなる傾向があります。

売上3,000万円以下なら月額2〜3万円が目安

売上3,000万円以下の法人であれば、月額2〜3万円で顧問契約を結べる事務所が多いです。この規模の法人は取引の量も限られるため、税理士側の作業量も比較的少なく、費用を抑えやすいポジションにあります。

ただし、月額2万円台の顧問料には記帳代行が含まれていないケースがほとんどです。自社で会計ソフトに入力できる体制があれば問題ありませんが、経理担当者がいない法人は記帳代行費用(月額5,000〜1.5万円)が別途かかる点に注意してください。

(設立したばかりの法人で売上がまだ小さい場合、月額1.5万円程度から受けてくれる税理士も探せばいます。ただし、その価格帯で決算まで含む事務所はほぼありません)

売上1億円を超えると月額5万円以上が一般的

売上が1億円を超えると、月額5万円以上の顧問料が一般的です。この規模になると、消費税の計算、従業員の源泉徴収事務、場合によっては税務調査への対応など、税理士に求められる業務が大幅に増えます。

特に売上3億円を超える法人では、月額10万円以上の顧問料も珍しくありません。その代わり、毎月の訪問面談や経営分析レポートの提供、資金繰りのアドバイスなど、税務以外の経営サポートが含まれることが多くなります。

この規模の法人にとって重要なのは、顧問料の安さよりも「税務リスクを確実に管理できるか」です。税務調査で指摘を受けた場合の追徴課税は、顧問料の数年分に相当することもあります。(月額の差額を気にするよりも、税理士の対応力を基準に選んだ方が結果的に安くつきます)

顧問料とは別に「決算申告料」が年1回かかる

法人の税理士費用を考えるとき、月額顧問料だけを見ていては不十分です。年に1回、決算申告のタイミングで「決算申告料」が別途発生します。決算申告料の相場は、顧問料の4〜6か月分が目安です。

たとえば月額顧問料が3万円の法人であれば、決算申告料は12〜18万円程度になります。つまり、年間の税理士費用は「月額3万円×12か月+決算料15万円=51万円」というイメージです。

決算申告料が別途かかる理由は、決算時の作業量が通常月と比べて格段に多いためです。法人税・法人住民税・法人事業税の申告書作成、消費税の申告、勘定科目内訳明細書の作成、法人事業概況説明書の作成など、決算期には数十種類の書類を同時に処理する必要があります。

決算申告料の金額は法人の規模だけでなく、仕訳数や勘定科目の多さによっても変わります。飲食業や小売業のように日々の取引件数が多い業種は、決算申告料も高くなりがちです。契約前に「決算料の見積もりは別途出してもらえますか」と確認しておくと、あとで想定外の出費を防げます。

決算料込みの年間総額で比較しないと意味がない

税理士を比較する際は、月額顧問料ではなく「年間総額」で比較するのが鉄則です。

実際に、月額顧問料が安い事務所でも決算申告料が高く設定されていて、年間総額では割高になるケースがあります。逆に、月額顧問料がやや高めでも決算料込みのパッケージ料金で提供している事務所もあります。

比較項目 A事務所 B事務所
月額顧問料 2万円 3万円
決算申告料 20万円 顧問料に含む
記帳代行 月額1万円(別途) 顧問料に含む
年間総額 56万円 36万円

この例のように、月額が安いA事務所の方が年間総額では20万円も高くなることがあります。見積もりを取る際は「月額いくらですか」ではなく、「年間の総額はいくらになりますか」と聞いてください。

顧問料に含まれるサービスは事務所によって全く違う

「月額3万円」という同じ顧問料でも、含まれるサービスの範囲は事務所によって大きく異なります。ある事務所では記帳代行・月次面談・税務相談がすべて含まれている一方で、別の事務所では税務相談のみで記帳も面談も別料金、ということが普通にあります。

一般的に、法人の顧問契約に含まれることが多いサービスは以下の通りです。

  • 月次の会計データチェック・試算表の作成
  • 税務に関する相談対応(電話・メール)
  • 年末調整・法定調書の作成
  • 税務署からの問い合わせへの対応

一方、以下のサービスは別料金になるケースが多いです。

  • 記帳代行(会計ソフトへの仕訳入力)
  • 決算申告書の作成・提出
  • 税務調査の立会い
  • 給与計算・社会保険手続き
  • 経営コンサルティング・資金繰り相談

月額の安さだけで選ぶと決算時に追加費用が発生する

「月額1.5万円」のような格安の顧問料を掲げている事務所は、上記のサービスの多くが別料金になっている可能性があります。契約後に「決算料は別途20万円です」「記帳代行は月1万円追加です」と言われて、想定外の出費に驚く法人経営者は少なくありません。

格安の事務所が悪いわけではありません。重要なのは、契約前に「何が含まれていて、何が別料金なのか」を明確にすることです。見積もり時に確認すべきポイントは以下の3点です。

  • 記帳代行は含まれるか、別料金か
  • 決算申告料はいくらで、いつ請求されるか
  • 税務相談に回数制限や追加料金はあるか

複数の事務所から見積もりを取って比較したい場合は、税理士紹介サービスを使うと、希望の予算と業種を伝えるだけで条件に合った税理士を紹介してもらえます。自分で一件ずつ問い合わせるより効率的です。

顧問料を下げる交渉は可能だが値引きにはリスクもある

税理士の顧問料は、交渉次第で下がることがあります。特に以下のような条件であれば、値引きに応じてもらえる可能性は高いです。

  • 自社で記帳を行い、税理士の作業量を減らす
  • 訪問面談の回数を減らす(対面ではなくオンライン対応にする)
  • 決算申告のみの契約にして、月次顧問をなくす
  • 長期契約を前提に交渉する

ただし、値引き交渉にはリスクもあります。顧問料を下げた分だけ、税理士が対応に割ける時間が減るのは当然のことです。結果として、レスポンスが遅くなったり、決算時にギリギリまで着手してもらえなかったりすることがあります。

また、値引き交渉で顧問料を下げた場合、担当が代表税理士からスタッフに変更されるケースもあります。経験の浅いスタッフが担当になると、税務判断の精度が下がったり、質問への回答に時間がかかったりする可能性があります。

(正直なところ、月額1〜2万円の値引きのために税理士のモチベーションを下げるくらいなら、その分を払って手厚いサービスを受けた方が経営者としては得です)

値引き交渉よりも効果的なのは、最初から複数の税理士に見積もりを依頼して、適正価格の事務所を選ぶことです。1社だけの見積もりでは、その金額が高いのか安いのか判断できません。相見積もりを取ること自体が、結果的に最も効果の高い「値引き交渉」になります。

法人の税理士選びは「見積もり比較」が鉄則

法人が税理士を選ぶ際に最も重要なのは、複数の税理士から見積もりを取って比較することです。同じ売上規模・同じ業務内容でも、事務所によって年間で10〜30万円の差が出ることは珍しくありません。最低でも3社、できれば5社程度から見積もりを取ることをおすすめします。

見積もり比較の際にチェックすべきポイントは以下の通りです。

チェック項目 確認すべき内容
年間総額 月額顧問料+決算料+記帳代行費を含めた総額
サービス範囲 顧問料に含まれる業務と別料金の業務の内訳
レスポンス 質問への回答にかかる日数(3営業日以内が目安)
担当者 代表税理士が担当するか、スタッフが担当するか
対応方法 訪問・オンライン・チャットなど、連絡手段の柔軟性

国税庁の統計によると、日本には約280万社の法人が存在しています(出典 国税庁 法人数の統計)。一方、税理士の登録者数は約8.2万人です。単純計算で税理士1人あたり30社以上の法人を担当している計算になります。つまり、税理士側にも「選ばれる側」としての競争があり、見積もり比較をすれば適正価格で契約できる可能性は十分にあります。

自分で複数の税理士事務所を探して問い合わせるのが面倒であれば、無料の税理士紹介サービスを利用すると、希望条件に合った税理士を紹介してもらえます。見積もりの比較までサポートしてもらえるため、初めて税理士を探す法人にとっては効率的な方法です。

地域別の格安税理士を探している方は東京の格安税理士まとめ大阪の格安税理士まとめも参考にしてください。

個人事業主の費用について詳しくは個人事業主が税理士に払う費用の相場と依頼範囲別の目安もあわせてご覧ください。

最後に

法人の税理士顧問料は月額2〜5万円が相場ですが、売上規模や依頼内容によって大きく変わります。月額の安さだけで判断せず、決算申告料を含めた年間総額、サービスの範囲、税理士のレスポンスを総合的に比較することが、適正な税理士選びにつながります。

この記事のポイントをまとめると以下の通りです。

  • 法人の顧問料相場は月額2〜5万円で、売上規模に応じて段階的に上がる
  • 月額顧問料だけでなく、決算申告料を含めた「年間総額」で比較する
  • 顧問料に含まれるサービス範囲は事務所ごとに異なるため、契約前に必ず確認する
  • 値引き交渉よりも、最初から複数の税理士に見積もりを依頼する方が効果的

特に重要なのは、1社だけで決めずに複数の税理士から見積もりを取ることです。同じ条件でも事務所によって年間10〜30万円の差が出るため、比較なしで契約するのはもったいないです。

税理士選びで迷っている方は、税理士ドットコムの無料紹介サービスを活用してみてください。希望条件に合った税理士を無料で紹介してもらえます。

執筆者
松下早紀
松下 早紀

税理士事務所・法律事務所で長年勤務した経験を生かし、税理士の選び方や税理士報酬の仕組みなどを解説しています。税理士は一度契約すると、なかなか変更しづらいものの、探す手段も限られています。後悔しない税理士探しをするために税理士ドットコムで最適な税理士選びをオススメします。