作成日:2026.04.23  /  最終更新日:2026.03.24

東京で費用が安い税理士を探すときの相場感と注意点

東京で税理士を探すとき、「できるだけ費用を抑えたい」と考えるのは自然なことです。東京には全国最多の税理士が登録しており、競争が激しい分、料金も幅広い選択肢があります。この記事では、東京で安く依頼できる税理士の費用相場と、安くても失敗しない税理士の選び方を解説します。

この記事の目次

東京は税理士の数が全国最多で価格競争が起きやすい

日本税理士会連合会の公表データによると、東京税理士会の登録者数は24,751人、東京地方税理士会(多摩地域など)は5,153人で、合計約3万人の税理士が東京エリアで活動しています(出典 日本税理士会連合会 税理士登録者数(令和8年2月末日現在))。全国の登録者数82,451人のうち、約36%が東京に集中している計算です。

税理士の数が多いということは、それだけ事務所間の競争が激しいということです。地方に比べて東京の方が「格安プラン」を打ち出す事務所が多く、費用を抑えたい方にとっては選びやすい環境にあります。(ただし、安さの中身は事務所ごとにまったく違うため、料金だけで決めると後悔するケースもあります)

東京の税理士顧問料は月額1万〜3万円が相場

東京で個人事業主が税理士と顧問契約を結ぶ場合、月額1万〜3万円が一般的な相場です。法人の場合は月額2万〜5万円程度が目安になります。

事業形態 年商規模 月額顧問料の目安
個人事業主 500万円以下 月額1万〜1.5万円
個人事業主 500万〜1,000万円 月額1.5万〜2.5万円
法人 1,000万円以下 月額2万〜3万円
法人 1,000万〜3,000万円 月額3万〜5万円

東京では年商500万円以下の個人事業主であれば、月額1万円台で顧問契約を受けてくれる事務所は普通に見つかります。地方では「月額2万円が最低ライン」という事務所が多い中、東京は競争原理が働いている分、低価格帯の選択肢が豊富です。

「格安」を謳う事務所は記帳代行と決算料を別途確認する

東京には「月額5,000円から」「顧問料9,800円」といった格安プランを掲げる事務所が増えています。こうした事務所自体に問題があるわけではありません。ただし、格安の月額料金に何が含まれていて、何が別料金なのかは必ず確認してください

記帳代行は別料金のケースがほとんど

「月額1万円」と表示されていても、記帳代行(日々の取引を会計ソフトに入力する作業)は別料金というケースが大半です。記帳代行を追加すると、月額5,000〜1.5万円が上乗せされます。自分でクラウド会計ソフトに入力できるなら不要ですが、まったく経理に手が回らない方は別料金込みの総額で比較する必要があります。

決算・申告料は月額に含まれないのが一般的

法人の決算申告や個人事業主の確定申告にかかる費用は、月額顧問料とは別に請求されるのが一般的です。決算料の目安は以下のとおりです。

事業形態 決算・申告料の目安
個人事業主(確定申告) 5万〜15万円
法人(決算申告) 10万〜25万円

つまり、月額顧問料が安くても年間の総額で見ると想定より高くなる場合があります。見積もりは「月額」ではなく「年間総額」で比較するのが鉄則です

確定申告だけの依頼なら5万〜15万円で収まる

顧問契約を結ばず、確定申告の時期だけ税理士に依頼する方法もあります。東京では確定申告のスポット依頼に対応する事務所が多く、費用を最小限に抑えたい方にとって現実的な選択肢です。

白色申告は5万〜8万円、青色申告は8万〜15万円が目安

確定申告のみの依頼費用は、申告の種類と売上規模で変わります。

申告の種類 費用の目安
白色申告 5万〜8万円
青色申告(10万円控除) 8万〜12万円
青色申告(65万円控除) 10万〜15万円

年商が1,000万円を超えると仕訳数が増えるため、上記の金額より高くなる傾向があります。逆に年商500万円以下であれば、相場の下限に近い価格で引き受けてくれる事務所も多いです。

スポット依頼は「丸投げ」か「自分で記帳」かで費用が変わる

領収書や請求書をそのまま渡して全部やってもらう「丸投げ」と、自分でクラウド会計に入力した状態で申告書だけ作ってもらうパターンでは、費用に2〜5万円ほどの差が出ます。費用を抑えたいなら、日々の記帳だけは自分でやっておくのが効果的です。(freeeやマネーフォワードを使えば、銀行口座と連携するだけでほぼ自動化できます)

安くても失敗しない税理士選びのポイントは3つ

安い税理士を探すこと自体はまったく問題ありません。東京には低価格でもしっかり対応してくれる事務所が数多くあります。ただし、価格だけで選ぶと「安かろう悪かろう」に当たるリスクはあります。以下の3点を確認すれば、安くても信頼できる税理士を選べます。

レスポンスの速さが最も重要

年商1,000万円以下の個人事業主や小規模法人であれば、税理士選びで最も重要なのはレスポンスの速さです。専門性の違いは正直あまり関係ありません。質問してから3営業日以内に返答があるかどうかを基準にしてください。

契約前の問い合わせ段階で返信が遅い事務所は、契約後も対応が遅い傾向があります。見積もり依頼を出した際の対応速度をそのまま判断材料にして問題ありません。

「何が含まれるか」を見積書で明確にしてもらう

口頭で「月額1万円で大丈夫ですよ」と言われても、実際に何が含まれているかはわかりません。見積もり段階で以下の内容を書面で確認してください。

  • 記帳代行が含まれるか、別料金か
  • 決算・確定申告の料金は月額に含まれるか
  • 税務相談の回数や対応方法(メール・電話・チャット)
  • 年末調整や消費税申告の対応可否と追加費用

この確認をせずに契約すると、後から「それは別料金です」と追加請求されるケースが起こり得ます。

複数の税理士から見積もりを取って比較する

東京には税理士が約3万人いるため、1社だけで決める必要はまったくありません。最低でも2〜3社から見積もりを取り、料金とサービス内容を比較するのが基本です。

自分で何社も問い合わせるのが面倒な場合は、税理士紹介サービスを使えば、希望の予算と条件に合った税理士を無料で紹介してもらえます。東京エリアは登録税理士も多いため、予算に合う事務所が見つかりやすいです。

東京で税理士費用を抑えるための具体的な工夫

税理士の料金は「依頼する業務の範囲」で決まります。すべてを丸投げすれば高くなり、自分でできる部分を引き受ければ安くなります。以下は実践しやすい費用の抑え方です。

クラウド会計で自分で記帳すれば月額5,000〜1万円下がる

記帳代行を税理士に頼まず、自分でクラウド会計ソフト(freee、マネーフォワードなど)に入力すれば、その分の費用を削減できます。銀行口座やクレジットカードを連携すれば、取引データは自動で取り込まれるため、手作業の負担は最小限です。

2026年時点ではクラウド会計対応はほぼすべての税理士事務所で標準化しているため、「クラウド会計対応かどうか」で事務所を選ぶ必要はありません。どの事務所を選んでも対応してもらえます。

面談回数を減らしてオンライン対応に切り替える

毎月の対面面談が不要であれば、その分顧問料が下がる事務所もあります。チャットやメールでのやり取りを中心にして、対面面談は決算前の年1〜2回に絞れば、月額で数千円安くなるケースがあります。

顧問契約の「面談回数」自体はそこまで重要ではありません。大事なのは、必要なときにすぐ相談できるかどうかです。月1回の面談があっても、急な質問に一週間返事がこないようでは意味がありません。

確定申告の時期を避けて契約すると交渉しやすい

税理士事務所は1〜3月の確定申告シーズンが最も忙しく、新規の顧問契約を受け付ける余裕がありません。4〜6月や9〜11月に相談を持ちかけると、事務所側にも余裕があるため、料金交渉がしやすくなります。

「安い税理士で大丈夫か」という不安への回答

「安い税理士に頼んで大丈夫なのか」と心配になる方は多いですが、結論として、安い税理士でも十分に機能するケースがほとんどです。税理士の報酬は2002年に自由化されており、価格は事務所ごとの経営方針によって異なります。安いからといって品質が低いわけではありません。

価格が安い理由は「効率化」が大半

安い料金で運営できている事務所の多くは、以下のような工夫で業務を効率化しています。

  • クラウド会計の活用で入力作業を自動化している
  • オンライン対応を中心にして訪問コストを削減している
  • 特定の業種(フリーランス、EC事業者など)に特化して業務を標準化している
  • 個人事務所で人件費を抑えている

こうした事務所は「安かろう悪かろう」ではなく、「無駄を省いて安くしている」だけです。特に東京では、独立したばかりの若手税理士が実績作りを兼ねて低価格で受けているケースも多く、対応の質は高いことが珍しくありません。

注意すべきは「安い理由が不明な事務所」

ただし、なぜその価格で提供できるのか説明がない事務所には注意が必要です。以下のような兆候がある場合は、契約前に慎重に検討してください。

  • 見積もり時にサービス範囲を明確にしない
  • 質問への回答が曖昧で具体性がない
  • 契約書や業務範囲の書面を用意していない
  • 問い合わせへの返信が極端に遅い

こうした兆候があれば、その事務所は避けて別の候補を探すのが無難です。(東京には事務所が山ほどあるので、1社に固執する必要はまったくありません)

東京で安い税理士を効率よく探す方法

東京には税理士が約3万人いるため、自力で1社ずつ調べるのは現実的ではありません。効率よく探すには、以下の方法を組み合わせるのがおすすめです。

税理士紹介サービスを使えば予算に合う事務所が見つかりやすい

税理士紹介サービスは、希望の予算・業種・対応エリアを伝えると、条件に合った税理士を無料で紹介してくれるサービスです。自分で何社も問い合わせる手間が省けるうえ、紹介サービス側が事前にスクリーニングしているため、極端に対応の悪い事務所に当たるリスクも低くなります。

税理士会の検索サービスも活用できる

日本税理士会連合会が運営する「税理士検索サービス」では、地域や対応業務で税理士を検索できます。ただし、料金情報は掲載されていないため、個別に問い合わせて見積もりを取る必要があります。料金を重視して探す場合は、紹介サービスの方が効率的です。

個人事業主・法人別の東京での税理士費用シミュレーション

実際に東京で安い税理士に依頼した場合の年間費用をシミュレーションします。

年商500万円の個人事業主の場合

項目 費用
月額顧問料 月1万円 × 12ヶ月 = 12万円
確定申告料 8万円
年間合計 約20万円

記帳を自分で行えば、月額顧問料をさらに5,000円程度下げられる可能性があります。確定申告だけのスポット依頼に切り替えれば、年間8万〜12万円で済みます。

年商3,000万円の法人の場合

項目 費用
月額顧問料 月3万円 × 12ヶ月 = 36万円
決算申告料 15万円
記帳代行(任意) 月1万円 × 12ヶ月 = 12万円
年間合計 約51万〜63万円

法人の場合は消費税申告や年末調整の対応も必要になるため、個人事業主より費用は高くなります。ただし、東京では法人向けに「月額2万円台」のプランを用意している事務所もあり、複数社から見積もりを取ればコストを抑えられる余地があります。

最後に

東京は全国で最も税理士の数が多く、価格競争が起きやすいエリアです。安い税理士を探すこと自体はまったく問題なく、効率化によって低価格を実現している優良な事務所は数多くあります。大切なのは、月額料金だけでなく年間総額で比較すること、そしてサービス範囲を事前に書面で確認することです。

税理士選びで迷っている方は、税理士ドットコムの無料紹介サービスを活用してみてください。希望の予算や条件に合った税理士を無料で紹介してもらえます。

執筆者
松下早紀
松下 早紀

税理士事務所・法律事務所で長年勤務した経験を生かし、税理士の選び方や税理士報酬の仕組みなどを解説しています。税理士は一度契約すると、なかなか変更しづらいものの、探す手段も限られています。後悔しない税理士探しをするために税理士ドットコムで最適な税理士選びをオススメします。