作成日:2026.05.22  /  最終更新日:2026.05.04

医師が税理士に依頼すべき理由と選び方のポイント

医師は、勤務医の確定申告から開業医の法人化(MS法人)まで、キャリアの各段階で税務の課題に直面します。この記事では、医師が税理士に依頼するメリットと、医療に強い税理士の選び方を解説します。結論として、医師は高所得ゆえに税負担が大きく、適切な節税対策を講じるだけで年間数十万〜数百万円の差が出るため、医療に詳しい税理士をつけておくのが最も合理的です。

勤務医でも確定申告が必要なケース

給与収入が2,000万円を超えると年末調整の対象外になる

年収2,000万円を超える勤務医は年末調整ができないため、確定申告が必須です(出典 国税庁 給与所得者で確定申告が必要な人)。また、複数の病院で勤務している場合も確定申告が必要です。

アルバイト・当直の収入がある場合は申告漏れに注意

勤務医は本務先以外にアルバイトや当直で収入を得ているケースが多いです。2箇所以上から給与を受けている場合、原則として確定申告が必要です。申告漏れは税務調査で指摘されるため、すべての収入を正確に把握しておく必要があります。

特定支出控除を活用できるケースがある

  • 学会参加費・医学書籍の購入費
  • 資格取得費(専門医資格など)
  • 勤務に必要な衣服費(白衣・術衣等)
  • 通勤費(一定額を超える部分)

これらの支出が給与所得控除額の50%を超える場合、特定支出控除として所得から差し引くことができます。(この制度を知らない勤務医が多く、適用するだけで税金が数十万円安くなるケースがあります)

開業医の税務ポイント

医療法人化のタイミングで年間数百万円の節税効果がある

個人開業医の所得が1,500万円を超えてくると、医療法人化による節税メリットが大きくなります。個人の最高税率55%に対し、法人税率は約23%のため、法人化によって手取りが大幅に増えるケースがあります。

ただし、医療法人化には都道府県への認可申請が必要で、設立手続きに6ヶ月〜1年程度かかります。資産の移転や役員報酬の設計など、計画的に進める必要があります。

MS法人(メディカル・サービス法人)の活用

MS法人を設立して、クリニックの不動産賃貸や事務管理業務を行わせることで、所得の分散による節税が可能です。ただし、MS法人との取引が「適正価格」であることが税務調査で問われるため、慎重な設計が必要です。

医療機器の設備投資と減価償却

開業医にとって医療機器は大きな投資です。中小企業経営強化税制を活用すれば、一定の医療機器について即時償却または税額控除が受けられます。機器の購入タイミングと償却方法を税理士と相談することで、節税効果を最大化できます。

医師に強い税理士を選ぶポイント

医療機関の顧問実績が豊富かを確認する

医師の税務は、診療報酬の処理・医療法人化・MS法人の設計・特定支出控除など、医療分野特有の論点が多い分野です。クリニックや病院の顧問経験が豊富な税理士を選ぶと安心です。

医療法人化の支援実績があるか

医療法人化は都道府県への認可申請が必要で、一般的な法人設立よりも手続きが複雑です。医療法人の設立支援実績がある税理士を選ぶことが重要です。

社会保険診療報酬の概算経費特例に対応できるか

年間の社会保険診療報酬が5,000万円以下の開業医は、「概算経費特例」を使って実際の経費より多くの経費を計上できるケースがあります。この特例に精通した税理士を選ぶと、節税効果を最大化できます。

医師が税理士に依頼した場合の費用目安

依頼内容 勤務医 開業医(個人) 医療法人
確定申告・決算料 5〜15万円 15〜30万円 30〜60万円
月額顧問料 3〜8万円 5〜15万円
医療法人化サポート 50〜100万円

勤務医の確定申告のみであれば5〜15万円が目安です。開業医は事業規模によって大きく変動します。

複数の税理士を比較したい場合は、無料の税理士紹介サービスを活用すると効率的です。

医師・クリニック経営に強いおすすめ税理士事務所5選

ここからは、医師やクリニック経営の税務に実績のある税理士事務所を紹介します。いずれも医療法人化・開業支援・事業承継に精通した事務所です。

税理士法人テラス

税理士法人テラス

参照元 税理士法人テラス

  • 医師のライフステージ(開業前〜経営・法人化・承継・相続)を一貫サポート
  • 税理士・社労士・FP・開業コンサルのワンストップ体制
  • 多数の診療科での開業支援実績

東京・銀座に拠点を置く医業専門の税理士法人です。医師のライフステージに寄り添い、開業支援から医療法人化、事業承継、M&A、相続までトータルサポートを提供しています。

税理士・社労士・FPが連携するワンストップ体制で、クリニック経営に必要なすべての専門家に一箇所で相談できます。(医業専門を掲げる税理士法人の中でもサービスの幅広さはトップクラスです)

料金体系

サービス 料金
初回相談 無料
顧問料・決算料 要問い合わせ(規模・診療科により個別見積もり)
住所
東京都中央区銀座8-17-5 THE HUB 銀座 OCT 10階
最寄駅
新橋駅 徒歩約5分
電話番号
03-6228-4531
URL
https://trc-tax.com/

税理士事務所Crave

税理士事務所Crave

参照元 税理士事務所Crave

  • 代表税理士が製薬会社MR・医療機関出向で合計約8年の現場経験
  • クラウド会計(freee)導入・チャット対応などIT活用に積極的
  • 首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)をカバー

医療・クリニック専門の税理士事務所です。代表税理士は製薬会社MRや医療機関への出向経験が約8年あり、医療業界特有の慣行を熟知しています。

製薬会社と医療機関の両方の現場を知っている税理士は非常に珍しく、医療業界の商慣習を踏まえたアドバイスが受けられます。(ITを活用した効率的なサポートも特徴です)

料金体系

サービス 料金(税別)
税務顧問 収入規模・訪問頻度により個別見積もり
経営コンサルティング 月1回訪問 約100,000円〜
住所
東京都豊島区駒込3-20-13-202
最寄駅
駒込駅 徒歩2分
電話番号
080-2191-7545
URL
https://www.iryou-crave.jp/

医療経営 中村税理士事務所

医療経営 中村税理士事務所

参照元 医療経営 中村税理士事務所

  • 医療経営に専門特化して23年超の実績
  • 所長税理士が専属担当で担当者変更なし
  • 即時解約OK・契約期間の縛りなし

医療経営に23年以上特化し、215件以上の相談事例を解決してきた実績を持つ税理士事務所です。所長税理士が一貫して専属対応し、MS法人対策・事業承継・出資持分評価引き下げなど医療法人特有の課題に精通しています。

契約の縛りがなく即時解約が可能な点も安心材料です。(23年超の医療経営特化実績は業界でもトップクラスです)

料金体系

プラン 月額(税込) 決算報酬
クリニック向け 99,000円〜 月額の4ヶ月分
病院向け 275,000〜550,000円 月額の4ヶ月分
住所
全国オンライン対応
電話番号
Webフォームより
URL
https://iryoukeiei-zeirishi.com/

税理士法人YFPクレア

税理士法人YFPクレア

参照元 税理士法人YFPクレア

  • 医療機関160件以上・総顧問先1,000件以上の豊富な実績
  • 創業融資成功率100%・年間100件以上の融資実績
  • 開業支援から医療法人化・分院展開・事業承継までフルサポート

新宿・四谷に本社を構え、160件以上の医療機関をサポートしてきた大規模税理士法人です。創業融資の成功率100%を誇り、クリニック開業時の資金調達から法人化、分院展開まで幅広く対応しています。

医療機関160件超の実績は業界でもトップクラスで、あらゆる診療科の開業・経営パターンを経験しています。(融資成功率100%は開業を考える医師にとって非常に心強いです)

料金体系

サービス 料金
初回相談 無料
顧問料・決算料 要問い合わせ
住所
東京都新宿区四谷4-1 細井ビル6F
最寄駅
四谷三丁目駅 徒歩3分
電話番号
0120-700-663
URL
https://www.yfpcrea.com/

東日本税理士法人

東日本税理士法人

参照元 東日本税理士法人

  • 「日本一の医療経営特化会計事務所」を標榜する専門性
  • 病院規模の大型医療法人にも対応可能
  • 生成AI(ChatGPT・Claude等)を業務に全面導入し効率化を推進

東京・神楽坂に拠点を置き、「日本一の医療経営特化会計事務所」を目指す税理士法人です。特定医療法人・社会医療法人の認定手続きなど大型案件にも対応可能で、病院経営に深い専門性を持ちます。

クリニックだけでなく病院規模の医療法人にも対応できる点は、他の医療系税理士事務所と一線を画すポイントです。(生成AIを全面活用するなど先進的な業務体制も特徴です)

料金体系

サービス 料金
顧問料・決算料 要問い合わせ(規模・内容により個別見積もり)
住所
東京都新宿区矢来町75番地
最寄駅
神楽坂駅 徒歩約3分
電話番号
03-3513-7622
URL
https://www.higashinihon.tokyo/

最後に

医師は高所得ゆえに税負担が大きく、適切な節税対策を講じるかどうかで手取りが年間数十万〜数百万円変わります。勤務医の特定支出控除、開業医の医療法人化やMS法人の活用など、医師特有の節税手段は多く存在しますが、いずれも専門知識が必要です。医療に詳しい税理士をつけておくことで、本業の診療に集中しながら最適な税務対策を実現できます。

税理士選びで迷っている方は、税理士ドットコムの無料紹介サービスを活用してみてください。医療分野に対応できる税理士を無料で紹介してもらえます。

執筆者
松下早紀
松下 早紀

税理士事務所・法律事務所で長年勤務した経験を生かし、税理士の選び方や税理士報酬の仕組みなどを解説しています。税理士は一度契約すると、なかなか変更しづらいものの、探す手段も限られています。後悔しない税理士探しをするために税理士ドットコムで最適な税理士選びをオススメします。