建設業の一人親方は、外注費と給与の区分判断やインボイス制度への対応など、税務面で独自の課題を抱えています。この記事では、一人親方が税理士に依頼するメリットと、建設業に強い税理士の選び方を解説します。結論として、インボイス制度の導入以降、一人親方にとって税理士のサポートはほぼ必須の状態になっています。
この記事の目次
一人親方の税務が複雑な理由は外注費の扱いとインボイス制度
外注費か給与かの判断で税額が大きく変わる
一人親方が元請けから受け取る報酬は「外注費」として処理されるのが一般的ですが、実態が「雇用」に近い場合は、税務調査で給与として認定されるリスクがあります。
| 判断基準 | 外注費(事業所得) | 給与(給与所得) |
|---|---|---|
| 指揮命令 | 自分の判断で作業 | 元請けの指示に従う |
| 道具・材料 | 自分で用意 | 元請けが支給 |
| 報酬の計算 | 出来高・請負 | 時間給・日給 |
| 他の現場 | 自由に受注可能 | 専属 |
税務調査で「外注費」が「給与」と認定されると、元請けに対して源泉徴収義務が生じ、過去に遡って追徴課税の対象になります。(一人親方と元請けの双方にとってリスクが大きいため、契約書の整備が重要です)
インボイス制度で一人親方の取引環境が大きく変わった
2023年10月に始まったインボイス制度は、一人親方に大きな影響を与えています。免税事業者のままでいると、元請けが仕入税額控除を受けられなくなるため、取引から外される・単価を下げられるリスクがあります(出典 国税庁 インボイス制度の概要)。
- 課税事業者になると消費税の申告・納付義務が発生
- 簡易課税制度を選択すれば、建設業はみなし仕入率70%で計算可能
- 2割特例(2026年9月まで)を使えば、納税額を売上税額の2割に抑えられる
簡易課税と2割特例のどちらが有利かは、年間の経費(材料費・外注費等)の割合によって変わります。この判断を自分で行うのは難しいため、税理士に相談するのが確実です。
確定申告を怠ると建設業許可に影響する可能性がある
建設業許可の更新時には、直近の確定申告書や決算書の提出が求められます。確定申告を怠っていると、許可の更新ができなくなるリスクがあります。(建設業許可がなければ500万円以上の工事を請けられないため、許可の維持は経営の生命線です)
一人親方が経費にできるもの
経費として認められやすいもの
- 工具・道具の購入費(10万円未満は消耗品費)
- 作業服・安全靴・ヘルメットの購入費
- 現場への交通費・ガソリン代
- 車両の減価償却費・車検費用(按分が必要)
- 労災保険(一人親方労災)の保険料
- 材料費
- 携帯電話代(按分が必要)
車両費は業務使用割合の按分が重要
一人親方の多くは自家用車を現場への移動に使用しています。車両関連の費用(ガソリン代・車検費用・保険料・減価償却費)は、業務使用割合で按分して経費計上します。走行距離の記録を残しておくと、税務調査の際にスムーズに説明できます。
一人親方に強い税理士を選ぶポイント
建設業の税務に詳しいかを確認する
一人親方の税務は、外注費と給与の区分・インボイス対応・建設業許可の維持など、建設業界固有の論点が多い分野です。建設業の顧問経験がある税理士を選ぶと、業界の慣習を踏まえた的確なアドバイスが受けられます。
インボイス・消費税に強いかを確認する
インボイス制度の開始以降、消費税の申告が必要になった一人親方が急増しています。簡易課税と本則課税のどちらが有利か、2割特例をいつまで使えるかなど、消費税の判断に詳しい税理士を選ぶことが重要です。
記帳代行から丸投げできるかも確認する
現場仕事で忙しい一人親方にとって、日々の記帳は大きな負担です。領収書を送るだけで記帳から確定申告まで丸投げできる税理士を選ぶと、本業に集中できます。
一人親方が税理士に依頼した場合の費用目安
| 依頼内容 | 費用目安 |
|---|---|
| 確定申告のみ | 5〜15万円 |
| 顧問契約(月額) | 1〜2万円 |
| 記帳代行込み(月額) | 1.5〜3万円 |
| 消費税申告(年額) | 3〜5万円 |
記帳代行込みの顧問契約であれば、年間総額20〜40万円が目安です。確定申告のみであれば5〜15万円で依頼可能です。
複数の税理士を比較したい場合は、無料の税理士紹介サービスを活用すると効率的です。
上記の費用はあくまで一般的な目安です。年間の売上規模や仕訳数によって変動するため、必ず複数の税理士から見積もりを取って比較してください。
一人親方に強いおすすめ税理士事務所5選
ここからは、建設業の一人親方の確定申告・インボイス対応に実績のある税理士事務所を紹介します。いずれも記帳代行から丸投げできる事務所です。
税理士法人SBCパートナーズ

- 建設業の確定申告に専門特化し、一人親方向け専用ページを用意
- 土日祝日も対応可能で全国どこからでも依頼できる
- 青色申告65万円控除対応・建設業ならではの節税対策を提案
創業20年以上の実績を持つ税理士法人で、建設業の確定申告に特化したサービスを展開しています。一人親方の確定申告代行では売上規模に応じた3プランを用意しており、価格重視プランなら年間5万円から依頼できます。
大阪・東京・横浜・名古屋に拠点があり全国対応です。(年間5万円〜は一人親方向けの確定申告としては業界最安水準です)
料金体系
| プラン | 売上1,000万円未満 | 売上3,000万円未満 | 売上5,000万円未満 |
|---|---|---|---|
| 価格重視 | 50,000円 | 80,000円 | 100,000円 |
| 基本プラン | 80,000円 | 100,000円 | 120,000円 |
| 全てお任せ | 140,000円 | 160,000円 | 180,000円 |
価格重視プランは年1回の確定申告のみ、全てお任せプランは記帳代行込みです。
税理士法人アイフロント(まるなげ太郎)

- 「面倒くさがりの一人親方」向けに確定申告丸投げサブスクを提供
- レシート仕訳・通帳書き込み不要、カード明細活用で書類提出ほぼゼロ
- 月額5,500円からのオールインワン(記帳代行・税務相談・確定申告すべて込み)
名古屋の税理士法人が運営する一人親方専用の確定申告丸投げサービス「まるなげ太郎」です。月額制のサブスク型で追加費用がなく、チャットで即日相談も可能です。建設業許可申請の代行にも対応しています。
月額5,500円〜で記帳代行・税務相談・確定申告がすべて込みのため、「何にいくらかかるかわからない」という不安がありません。(現場仕事で忙しい一人親方にとって、丸投げできるサブスク型は理想的です)
料金体系
| 年間売上 | 月額(税込) | 年間合計(税込) |
|---|---|---|
| 〜100万円 | 5,500円 | 66,000円 |
| 100〜300万円 | 11,000円 | 132,000円 |
| 300〜500万円 | 16,500円 | 198,000円 |
| 500〜1,000万円 | 22,000円 | 264,000円 |
| 1,000万円〜 | 27,500円 | 330,000円 |
すべて追加費用なしのオールインワン価格です。
永安栄棟 公認会計士・税理士事務所

- 一人親方向け「確定申告丸投げパック」で帳簿記帳から電子申告まで一括対応
- オンライン完結型で全国対応
- 公認会計士・税理士のダブルライセンスで質の高い税務サポート
神戸三宮を拠点とする公認会計士・税理士事務所で、一人親方向けの確定申告丸投げパックが特徴です。書類の受け渡しは郵送、打ち合わせはオンラインで完結するため、全国どこからでも利用可能です。
インボイス対応・消費税申告もパック料金に含まれています。(オンライン完結型なので、地方の一人親方でも問題なく利用できます)
料金体系
| 売上規模 | 月額料金 | 年間確定申告報酬 |
|---|---|---|
| 〜1,000万円 | 10,000円 | 80,000円 |
| 〜2,000万円 | 20,000円 | 100,000円 |
月額1万円+年間8万円で、記帳から申告まですべて丸投げできます。
- 住所
- 兵庫県神戸市中央区布引町4-2-12 ネオフィス三宮502号室
- 最寄駅
- 阪急・阪神 神戸三宮駅 / JR三ノ宮駅 徒歩2分
- 電話番号
- 078-600-9500
税理士法人サム・ライズ

- 一人親方の確定申告とインボイス制度のサポートに専門対応
- 無申告解消サービスや税務調査立ち会いなどトラブル対応にも強い
- 全国対応で副業向け確定申告代行も可能
埼玉県川越市に拠点を置く税理士法人で、建設業の一人親方向けに確定申告とインボイス制度のサポートを専門的に提供しています。無申告解消や税務調査対応など、一人親方が陥りやすいトラブルにも幅広く対応しています。
無申告解消サービスが47,300円〜で用意されているため、「何年も確定申告していない」という方でも相談できます。(無申告を放置するとペナルティが膨らむため、早めに対応することをおすすめします)
料金体系
| サービス内容 | 料金(税込) |
|---|---|
| 税理士顧問サービス | 月額18,700円〜 |
| 無申告解消サービス | 47,300円〜 |
| 税務調査立ち会い | 110,000円〜 |
| 副業向け確定申告代行 | 11,000円〜 |
税理士法人経営サポートプラスアルファ

- 建設業・一人親方の税理士費用を明確に公開し、面談回数に応じた柔軟なプラン設計
- 会計入力を自分で行えば顧問料のみで済む低コストプランあり
- 個人事業主から法人まで対応し、建設業許可申請の支援も可能
池袋に本社を置く税理士法人で、建設業・一人親方向けの料金体系を詳細に公開しています。年1回面談の低コストプランから年12回面談のフルサポートまで選べます。
会計入力を自分で行えば月額14,000円から顧問契約が可能です。(面談回数を自分で選べるため、コストとサポートのバランスを自分で調整できます)
料金体系
| 面談回数 | 顧問料(月額・税別) | 会計丸投げ加算(月額・税別) | 確定申告費用(年1回・税別) |
|---|---|---|---|
| 年1回 | 14,000円 | +20,000円 | 100,000円 |
| 年2回 | 17,000円 | +20,000円 | 100,000円 |
| 年4回 | 22,000円 | +20,000円 | 100,000円 |
| 年12回 | 48,000円 | +20,000円 | 100,000円 |
年1回面談プランで自計化すれば、年間合計268,000円から依頼できます。
最後に
一人親方の税務は、外注費と給与の区分判断・インボイス制度への対応・建設業許可の維持など、専門的な知識が求められる場面が多い分野です。特にインボイス制度の導入以降は、消費税の申告が必要になった一人親方が急増しており、税理士のサポートはほぼ必須の状態です。現場の仕事に集中するためにも、建設業に詳しい税理士に記帳から申告まで任せるのが最も合理的な選択です。
税理士選びで迷っている方は、税理士ドットコムの無料紹介サービスを活用してみてください。建設業に対応できる税理士を無料で紹介してもらえます。











