顧問契約を結ばなくても、確定申告だけを単発で税理士に依頼することは可能です。費用相場は白色申告で5〜10万円、青色申告で10〜20万円が目安となります。この記事では、確定申告だけをスポットで頼む際の費用の決まり方、向いている人、失敗しないための注意点を解説したうえで、確定申告のみに対応する実在のサービスを5つ紹介します。料金はすべて各社の公式情報から確認したものだけを掲載しています。
この記事の目次
確定申告だけ税理士に頼む費用相場は白色5〜10万円・青色10〜20万円
確定申告だけを顧問契約なしで税理士に依頼する場合、費用相場は白色申告で5〜10万円、青色申告で10〜20万円が目安です。これは1年分の申告をまとめて依頼する「スポット契約(単発契約)」の料金で、毎月顧問料を払い続ける必要はありません。
青色申告のほうが高くなるのは、複式簿記による記帳と貸借対照表の作成が必要になるためです。青色申告特別控除(最大65万円の所得控除)を受けるには、複式簿記での記帳とe-Taxによる電子申告などの要件を満たす必要があります(出典 国税庁 No.2070 青色申告制度)。手間がかかる分、税理士に支払う料金も上がるという仕組みです。
年商と記帳状況で費用は大きく変わる
確定申告だけの依頼料金は、一律ではありません。年商(売上規模)と、自分でどこまで帳簿を作っているかによって金額が変動します。多くの税理士事務所は、売上規模ごとに料金を段階設定しています。
| 年商 | 確定申告のみの料金目安 |
|---|---|
| 500万円以下 | 5〜8万円 |
| 500万〜1,000万円 | 7〜12万円 |
| 1,000万〜2,000万円 | 10〜18万円 |
| 2,000万円超 | 15万円〜(要見積もり) |
記帳が終わっているかどうかも料金を左右します。領収書や請求書を渡すだけの「丸投げ」にする場合は、記帳代行料が上乗せされます。自分で会計ソフトに入力を済ませてあれば、その分の料金を抑えられます。(ただし、入力ミスがあると結局やり直しになるため、慣れていない方は最初から丸投げにしたほうが安全です)
費用が決まる4つの要素
確定申告だけの依頼費用は、以下の要素の組み合わせで決まります。見積もりを取る前にこの4点を整理しておくと、料金の妥当性を判断しやすくなります。
- 申告の種類(白色か青色か、青色なら控除額)
- 年商・売上規模(取引件数が多いほど高い)
- 記帳代行の有無(丸投げにすると加算される)
- 消費税申告の有無(課税事業者は別途必要なことがある)
このうち見落としやすいのが消費税申告です。年間の課税売上が1,000万円を超えた事業者や、インボイス制度に登録している事業者は、所得税の確定申告とは別に消費税の申告も必要になります。事務所によっては消費税申告が別料金のため、課税事業者の方は必ず確認してください。
確定申告だけの依頼は顧問より安く繁忙期の時間を節約したい人に向く
確定申告だけをスポットで依頼するのは、顧問契約までは必要ないが申告作業の負担は減らしたい人に向いています。具体的なメリットは次の3つです。
顧問契約より年間コストを抑えられる
顧問契約を結ぶと月額1〜3万円が毎月発生し、年間では12〜36万円に確定申告料が加わります。一方、確定申告だけのスポット依頼なら年1回の支払いで済むため、トータルのコストは大幅に下がります。年商が小さく、日々の経理相談がそれほど必要ない個人事業主であれば、スポット依頼のほうが合理的です。
確定申告の繁忙期に丸投げで時間を確保できる
確定申告は毎年2月16日から3月15日までの間に行うことが定められています(出典 国税庁 No.2024 確定申告を忘れたとき)。この時期は本業も忙しい方が多く、慣れない申告作業に丸一日以上を取られるのは大きな負担です。領収書や帳簿を丸投げできれば、その時間を本業に回せます。(自分でやれば数万円の節約になりますが、その時間で本業の売上を立てたほうが得というケースは多いです)
申告ミスや控除の見落としを防げる
自分で確定申告をして節約したつもりが、使えるはずの控除を見落として余計に納税しているケースは珍しくありません。税理士に依頼すれば、申告内容の正確性が担保され、税務署からの問い合わせリスクも減ります。特に青色申告の65万円控除は要件が細かいため、初年度は専門家に任せると安心です。
年1依頼ゆえに日々の節税対策は受けにくい
一方で、確定申告だけの依頼には注意点もあります。年に1回だけのスポット契約では、期中の経営アドバイスや節税提案は基本的に受けられません。申告時期に「もっと早く相談していれば」となる経費計上や控除があっても、後から取り返せないことがあります。
確定申告だけのスポット依頼は、あくまで申告書の作成と提出が中心です。日常的な記帳指導や経営相談まで求める場合は、顧問契約のほうが適しています。自分に必要なサポート範囲を見極めたうえで選んでください。
確定申告だけの依頼で失敗しないために早めの相談と書類整理が必要
確定申告だけのスポット依頼でよくある失敗は、依頼のタイミングが遅すぎることと、書類が整理されていないことに集約されます。以下の点を押さえておけば、余計な費用や手間を防げます。
2月以降は繁忙期で断られることもある
税理士事務所の繁忙期は1月から3月で、この時期は新規のスポット依頼を受け付けていない事務所も少なくありません。受けてもらえても、特急料金として通常の2〜5割増しの追加料金が発生することがあります。確定申告だけを依頼するなら、できれば前年の年内、遅くとも1月中には相談を始めるのが理想です。
領収書と帳簿を整理してから渡すと料金が下がる
丸投げといっても、領収書がぐちゃぐちゃの状態で渡すと記帳代行の工数が増え、料金が上がります。最低限、月ごとに領収書を分けておく、通帳のコピーを用意しておく、といった準備をするだけで見積もりが変わることがあります。会計ソフトへの入力まで自分で済ませておけば、記帳代行料を丸ごとカットできる事務所もあります。
追加料金が発生する条件を事前に確認する
見積もり金額だけを見て契約すると、後から消費税申告料・記帳代行料・特急料金などが上乗せされて想定より高くなることがあります。契約前に、どこまでが基本料金に含まれ、何が別料金になるのかを必ず確認してください。確認すべき項目は次のとおりです。
- 消費税の申告書作成が料金に含まれるか
- 記帳代行が含まれるか、別料金か
- 仕訳数や売上が一定を超えた場合の追加料金
- 繁忙期の特急料金の有無
自分でやるか税理士に依頼するか迷っている段階なら、まず無料の税理士紹介サービスで費用感を確認してみるのが手早い方法です。希望の予算や申告内容を伝えれば、スポット対応できる税理士を紹介してもらえます。
確定申告だけ頼めるおすすめサービス5選
確定申告のみ・単発のスポット依頼に対応している税理士事務所・サービスを5つ紹介します。料金はいずれも各社の公式サイトで確認できたものを掲載しています。年商や記帳状況によって料金は変わるため、最終的な金額は各社へ見積もりを依頼してください。
ウェブゼイム

参照元 https://web016.com/k-kakuteishinkoku/
- 記帳代行料金が0円(仕訳数無制限)
- 消費税申告書の作成も0円
- 白色申告・青色申告の両方に対応
ウェブゼイムは、株式会社ウェブゼイムジャパンが運営する個人事業主向けの確定申告代行サービスです。最大の特徴は、記帳代行料金が仕訳数に関係なく0円という点で、領収書や請求書を渡すだけの丸投げにしても記帳の追加料金がかかりません。消費税申告書の作成料も0円のため、課税事業者でも料金が読みやすい構成になっています。
経理書類を郵送して依頼する方式で、申告自体はe-Taxによる電子申告で行われます。東京を中心に全国各地に対応しているため、地方在住の個人事業主でも利用できます。(記帳代行と消費税申告が無料で含まれる料金設計は、トータルでいくらかかるかを把握しやすいのが利点です)
料金体系
| 年商 | 料金(税込) |
|---|---|
| 0〜500万円 | 74,800円 |
| 500万1円〜1,000万円 | 96,800円 |
| 1,000万1円〜2,000万円 | 129,800円 |
| 2,000万円超 | 要問い合わせ |
格安申告ラボ

- 記帳代行なしなら年商250万円以下29,000円から
- 記帳代行ありの丸投げプランも選べる
- Zoom・Dropbox・郵送で全国対応
格安申告ラボは、西村昌浩税理士事務所が運営する確定申告代行サービスです。記帳代行の有無で料金プランが分かれており、自分で会計ソフトに入力を済ませている人は「記帳代行なし」を選ぶことで費用を大きく抑えられます。逆に領収書から丸投げしたい人は「記帳代行あり」を選べば、申告まですべて任せられます。
個人の所得税申告だけでなく法人申告にも対応しており、やり取りはメール・テレビ会議(Zoom)・Dropbox・郵送に対応しているため全国どこからでも依頼できます。経験10年以上の税理士が直接対応し、電子申告による提出代行まで料金に含まれます。(自分で記帳できる人なら、業界でもかなり安い水準で申告だけを任せられます)
料金体系
| 年商 | 記帳代行なし(税抜) | 記帳代行あり(税抜) |
|---|---|---|
| 〜250万円 | 29,000円 | 59,000円 |
| 〜500万円 | 49,000円 | 79,000円 |
| 〜1,000万円 | 79,000円 | 119,000円 |
| 〜2,000万円 | 119,000円 | 179,000円 |
後藤会計事務所

参照元 https://goto-ac.com/kakutei/
- 売上500万円未満なら44,000円から
- 消費税申告料を原則料金に含む
- 記帳済みの格安プランと丸投げプランの2種類
後藤会計事務所は、確定申告の格安代行を専門に手がける税理士事務所です。売上規模に応じた明確な料金設定で、売上500万円未満なら44,000円(税込)からと、確定申告のみの依頼としては抑えめの水準です。消費税申告料を原則として料金に含んでいるため、課税事業者でも追加費用が読みやすい点が特徴です。
自分で記帳する「格安プラン」と、領収書から任せる「丸投げ楽々プラン」の2つが用意されており、自分の準備状況に合わせて選べます。電話・メールでのやり取りで全国対応しており、青色申告の65万円控除にも対応しています。(消費税申告込みの料金設計は、インボイス登録した個人事業主にとって計算しやすいです)
料金体系
| 売上 | 料金(税込) |
|---|---|
| 500万円未満 | 44,000円 |
| 1,000万円未満 | 66,000円 |
| 2,000万円未満 | 88,000円 |
| 3,000万円未満 | 99,000円 |
おまかせ申告65

- 月額8,800円(税込)の定額制
- freeeアプリで記帳から65万円控除の青色申告まで対応
- 電話・LINE・メールで税務相談が可能
おまかせ申告65は、中山美穂税理士事務所が運営する青色申告特化の確定申告代行サービスです。会計ソフトfreeeのアプリを使い、領収書の撮影と情報提出をするだけで、記帳代行から65万円控除の青色申告まですべて任せられます。一括払いではなく月額8,800円(税込)の定額制のため、まとまった費用を一度に支払う必要がない点が特徴です。
記帳代行がすべて含まれているうえ、開業届や青色申告承認申請書の作成・提出代行、インボイス対応にも対応しています。電話・LINE・メールでの税務相談も可能なため、確定申告だけでありながら期中の疑問も相談しやすい体制です。(月額制なので、申告料を毎月の経費としてならして計上したい人に向いています)
料金体系
| サービス | 料金(税込) |
|---|---|
| 青色申告おまかせプラン | 月額8,800円(12か月) |
港区おさだ税理士事務所

参照元 https://osd-happylife.jp/kojin-kakutei-ryokin.html
- 月額顧問料なしで確定申告のみ対応
- 仕訳数に応じた明確な丸投げパック料金
- 記帳代行込みで領収書から任せられる
港区おさだ税理士事務所は、月額顧問料なしで確定申告のみに対応する個人事業主向けの丸投げパックを提供しています。仕訳数に応じてコースが分かれており、自分の取引件数に合ったプランを選べます。記帳代行が料金に含まれているため、領収書や請求書を渡すだけで申告まで完結します。
年商1,500万円以下かつ従業員なしの個人事業主を主な対象としており、住宅ローン控除(初年度)・医療費控除・譲渡所得・消費税の申告などにもオプションで対応しています。仕訳数が基準を超えた場合は100仕訳ごとに加算される明朗な料金体系です。(仕訳数ベースの料金なので、取引件数が少ない人ほど割安に依頼できます)
料金体系
| コース | 料金(税抜) |
|---|---|
| 外交員型(〜400仕訳) | 80,000円 |
| 標準コース(〜600仕訳) | 110,000円 |
| 業種型(1,000〜1,200仕訳) | 120,000〜180,000円 |
| 店舗型(〜2,100仕訳) | 230,000円 |
- 運営会社
- おさだ税理士事務所
- 料金
- 80,000円(税抜)〜
- 対応エリア
- 東京都港区(全国相談可)
確定申告だけ頼めるサービスの料金比較表
紹介した5サービスの料金・対応申告種別・オンライン対応可否を一覧にまとめます。料金は各社公式サイトで確認できた最低価格帯を記載しています。自分の年商や記帳状況に合うサービスを選ぶ参考にしてください。
| サービス | 確定申告のみの料金 | 対応申告種別 | オンライン対応 |
|---|---|---|---|
| ウェブゼイム | 74,800円(税込)〜 | 白色・青色 | 郵送中心・電子申告 |
| 格安申告ラボ | 29,000円(税抜)〜 | 個人・法人 | Zoom・Dropbox可 |
| 後藤会計事務所 | 44,000円(税込)〜 | 白色・青色・消費税 | 電話・メール可 |
| おまかせ申告65 | 月額8,800円(税込) | 青色(65万円控除) | freeeアプリ完結 |
| 港区おさだ税理士事務所 | 80,000円(税抜)〜 | 白色・青色・消費税 | 要問い合わせ |
上記の料金は各社公式サイトで確認できた金額をもとにしていますが、年商・仕訳数・記帳状況によって最終的な料金は変動します。また料金は改定される場合があるため、正確な金額は必ず各社の公式サイトまたは見積もりで確認してください。
確定申告だけの依頼は問い合わせから申告まで4ステップで進む
確定申告だけをスポットで依頼する場合の流れは、どのサービスでもおおむね共通しています。問い合わせから申告完了まで、基本的に4つのステップで進みます。
問い合わせと見積もりで料金を確定する
まず公式サイトの問い合わせフォームやメールから連絡し、年商・申告の種類・記帳状況を伝えます。この情報をもとに見積もりが提示されるので、基本料金に何が含まれるか、追加料金が発生する条件は何かを確認します。複数社から相見積もりを取ると、料金水準が妥当かを判断しやすくなります。
資料を提出して記帳・申告書作成を任せる
依頼が決まったら、領収書・請求書・通帳のコピー・各種控除証明書などの資料を提出します。提出方法はクラウドツール・郵送・対面などサービスによって異なります。資料がそろえば、税理士が記帳と申告書の作成を進めます。記帳まで自分で済ませてある場合は、会計データを渡すだけで済みます。
内容を確認してe-Taxで申告する
申告書が完成したら内容を確認し、問題がなければ税理士がe-Taxで電子申告を行います。申告後は控えを受け取り、納付が必要な場合は期限内に納税します。所得税の納付期限は申告期限と同じく原則3月15日までです。資料提出から申告完了まで、早い事務所では数日で対応してもらえます。
確定申告だけの依頼でよくある質問
顧問契約をしなくても確定申告だけ頼めますか
頼めます。多くの税理士事務所が、顧問契約なしの単発スポットで確定申告だけを受け付けています。この記事で紹介したサービスはいずれも顧問契約不要で、年1回の確定申告のみを依頼できます。毎月の顧問料を払いたくない個人事業主に向いた依頼方法です。
領収書を丸投げするだけでも対応してもらえますか
対応してもらえます。記帳代行を含むプランを選べば、領収書や請求書を渡すだけで記帳から申告まで任せられます。ただし記帳代行が別料金になる事務所もあるため、丸投げを希望する場合は記帳代行が料金に含まれるかを事前に確認してください。書類を月ごとに整理して渡すと、料金を抑えやすくなります。
オンラインだけで確定申告を完結できますか
多くのサービスでオンライン完結が可能です。資料の提出はクラウドストレージやアプリ、打ち合わせはZoomなどのビデオ会議で行い、申告はe-Taxで電子提出されます。地方在住で近くに税理士がいない場合でも、全国対応のサービスを選べば問題なく依頼できます。
確定申告をしないとどうなりますか
確定申告が必要な人が期限内に申告しないと、無申告加算税や延滞税といったペナルティが課されます。給与所得者でも、給与以外の所得が20万円を超える場合などは確定申告が必要です(出典 国税庁 No.2020 確定申告)。申告漏れに気づいたら、できるだけ早く税理士に相談してください。
いつまでに依頼すれば間に合いますか
確定申告の期限は原則3月15日ですが、税理士事務所は1〜3月が繁忙期のため、2月以降は新規依頼を断られたり特急料金がかかったりすることがあります。確実に間に合わせたいなら、前年の年内、遅くとも1月中の相談がおすすめです。早めに動くほど、料金も対応も有利になります。
最後に
確定申告だけを税理士に依頼する費用は、白色申告で5〜10万円、青色申告で10〜20万円が目安で、年商と記帳状況によって変動します。顧問契約を結ばなくても単発のスポットで頼めるため、毎月の顧問料を払わずに申告作業の負担だけを減らせます。失敗しないためには、繁忙期を避けて早めに相談し、書類を整理したうえで追加料金の条件を確認することが重要です。
確定申告だけを頼める税理士を探している方は、税理士ドットコムの無料紹介サービスを活用してみてください。スポット対応や予算の希望を伝えれば、条件に合った税理士を無料で紹介してもらえます。











