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年末調整と確定申告の違い|会社員でも確定申告が必要になる人
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年末調整は、会社が1年分の給与から天引きした所得税を、12月に精算する手続きです。確定申告は、本人が1年分の所得と税額を計算して、翌年2月16日から3月15日までに税務署に申告する手続きです。会社員の多くは年末調整で手続きが終わりますが、副業の所得がある人や給与の額が大きい人は、年末調整を受けていても確定申告が必要になります。
この記事では、2つの手続きの違い、年末調整の対象にならない人、会社員でも確定申告が必要になる条件をまとめました。
年末調整は会社が行い、確定申告は本人が行う
2つの手続きの違いを表にまとめました。
| 項目 | 年末調整 | 確定申告 |
|---|---|---|
| 手続きをする人 | 勤務先の会社 | 本人 |
| 時期 | 12月の給与・賞与の支払い時 | 翌年2月16日〜3月15日 |
| 対象になる所得 | その会社から受け取った給与だけ | 給与・事業・不動産・副業など1年分のすべての所得 |
| 受けられる控除 | 扶養控除、生命保険料控除、住宅ローン控除(2年目以降)など | 年末調整で受けられる控除に加え、医療費控除・寄附金控除など |
| 本人がすること | 申告書を会社に出す | 申告書を作って税務署に出す |
年末調整は、その会社の給与だけを精算する
年末調整で計算されるのは、手続きをする会社から受け取った給与にかかる所得税だけです。副業で受け取った報酬や、別の会社から受け取った給与は含まれません。会社は従業員の副業の収入を把握していないため、副業の分は本人が確定申告で精算する形になります。
確定申告は、1年分のすべての所得をまとめて計算する
確定申告では、給与のほかに事業や副業、不動産などの所得を合計して所得税を計算します。年末調整を受けた給与がある場合は、会社からもらう源泉徴収票の数字を使って、ほかの所得と合わせて申告します。
年末調整で会社に出すのは、扶養控除と保険料控除などの申告書
年末調整の時期になると、会社から申告書の提出を求められます。主な書類は次のとおりです。最近は紙ではなく、会社が用意したシステムやスマホのアプリから入力する形も増えています。
| 書類 | 書くこと | あわせて用意するもの |
|---|---|---|
| 扶養控除等(異動)申告書 | 扶養している家族の氏名・所得の見込み | 家族のマイナンバー |
| 基礎控除・配偶者控除等の申告書 | 本人と配偶者の所得の見込み | なし |
| 保険料控除申告書 | 生命保険・地震保険・国民年金などの保険料 | 保険会社から届く控除証明書 |
| 住宅借入金等特別控除申告書 | 住宅ローンの年末残高(2年目以降) | 金融機関の残高証明書 |
出し忘れた控除は、確定申告で取り戻せる
生命保険料の控除証明書を出し忘れた、年の途中で扶養する家族が増えたのに書き忘れた、といった場合でも、あとから手当てできます。会社がまだ年末調整のやり直しに応じてくれる時期なら会社に申し出て、間に合わなければ自分で確定申告をして控除を受けます。(年末調整の書類は毎年似た内容なので、前年の内容をそのまま写してしまう方が多いです)
年末調整の対象にならない人もいる
会社員でも、全員が年末調整を受けられるわけではありません。国税庁によると、12月の年末調整の対象になるのは、1年を通じて勤務している人と、年の途中で就職して年末まで勤務している人です。ただし、1年間の給与の総額が2,000万円を超える人は対象外です(出典 国税庁 No.2665 年末調整の対象となる人)。
扶養控除等申告書を出していない勤務先では年末調整されない
年末調整を受けるには、年末調整を行う日までに「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を勤務先に出している必要があります。2か所から給与を受け取っている場合、この申告書を出せるのは1か所だけなので、もう一方の給与は年末調整の対象になりません。
2か所から給与をもらう人は、年末調整されない方の給与を確定申告で合わせる
本業の会社とは別に、アルバイト先からも給与を受け取っている場合、アルバイト先の給与は年末調整されないまま、少し多めの所得税が天引きされていることが一般的です。年末調整されなかった給与と、給与以外の所得の合計が20万円を超える場合は確定申告が必要です。20万円以下で申告義務がない場合でも、申告すると天引きされすぎた分が戻ってくることがあります。(ダブルワークの方は、どちらの勤務先に扶養控除等申告書を出したかを覚えておくと、手続きで迷いません)
年の途中で退職して年内に再就職していない人も対象外
年の途中で退職した人は、12月に支給される給与を受け取ってから退職した場合などを除き、原則として年末調整の対象になりません。退職したあと年内に再就職しなかった場合は、天引きされた所得税が多すぎることが多く、確定申告をすると戻ってくる可能性があります。(退職した年は、確定申告を忘れて還付を受け取り損ねている方が少なくありません)
会社員でも確定申告が必要になるのは、副業の所得が20万円を超える場合など
国税庁は、給与所得者で確定申告が必要になる人として、次のような例を挙げています(出典 国税庁 No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人)。
- 給与の年間収入金額が2,000万円を超える人
- 給与を1か所から受けていて、給与と退職所得以外の所得の合計が20万円を超える人
- 給与を2か所以上から受けていて、年末調整されなかった給与の収入と、給与・退職所得以外の所得の合計が20万円を超える人
- 同族会社の役員で、その会社から貸付金の利子や不動産の賃貸料を受け取っている人
「20万円」は収入ではなく所得で判断する
副業の「20万円」は、売上や報酬の額ではなく、そこから必要経費を引いた所得の額で判断します。副業の報酬が30万円でも、経費が15万円かかっていれば所得は15万円です。(「20万円以下なら何もしなくていい」と思われがちですが、住民税の申告は別に必要になる場合があります)
副業の確定申告がいくらから必要になるかは、副業の確定申告はいくらから必要?で詳しく説明しています。副業を会社に知られたくない場合の住民税の扱いは副業の確定申告で会社にバレない方法にまとめています。
副業の所得が20万円以下でも、還付を受けるなら確定申告できる
上の条件に当てはまらない人でも、確定申告をすれば税金が戻ってくる場合は、申告することができます。この場合は、副業の所得もすべて含めて申告します。医療費控除だけを受けたいから副業の分は書かない、という申告はできません。副業の所得を加えると、戻ってくる額が減ったり、逆に納める税金が出たりすることもあるので、申告する前に全体で計算してみてください。
副業がある会社員の確定申告は、源泉徴収票と副業の帳簿をそろえて進める
年末調整を受けた会社員が副業の分を確定申告する場合、作業はおおむね次の順番で進みます。
- 1月ごろ、会社から源泉徴収票を受け取る
- 副業の収入と経費を1年分まとめ、所得を計算する(報酬の支払調書や入金の記録、領収書を使う)
- 確定申告書等作成コーナーやe-Taxで、源泉徴収票の数字と副業の所得を入力する
- 医療費控除やふるさと納税の控除があれば、あわせて入力する
- 2月16日から3月15日までに提出し、不足する税金があれば納付する
副業の収入の種類で、申告書の書き方が変わる
副業の所得は、業務として継続している規模なら事業所得、そうでなければ雑所得として扱われることが多いです。どちらに当たるかで帳簿の書き方や使える控除が変わるため、判断に迷う場合は税務署か税理士に確認してください。(ここを自己判断で決めて、あとから税務署に指摘される例が見られます)
住民税の納め方を選ぶ欄を見落とさない
確定申告書には、副業分の住民税を給与から天引きするか、自分で納めるかを選ぶ欄があります。この欄の選び方で、勤務先に届く住民税の通知の額が変わります。詳しくは副業の確定申告で会社にバレない方法で説明しています。
医療費控除や寄附金控除は年末調整では受けられない
年末調整で受けられる控除は限られています。医療費控除や寄附金控除などは、年末調整では受けられず、確定申告をする必要があります。
| 控除 | 年末調整 | 確定申告 |
|---|---|---|
| 扶養控除・配偶者控除 | 受けられる | 受けられる |
| 生命保険料控除・地震保険料控除 | 受けられる | 受けられる |
| 住宅ローン控除 | 2年目以降は受けられる | 1年目は確定申告が必要 |
| 医療費控除 | 受けられない | 受けられる |
| 寄附金控除(ふるさと納税) | 受けられない | 受けられる(ワンストップ特例を使う場合は不要) |
| 雑損控除(災害・盗難) | 受けられない | 受けられる |
医療費控除の手続きは医療費控除の確定申告のやり方、ふるさと納税はふるさと納税の確定申告のやり方とワンストップ特例で説明しています。どの控除が使えるかは家庭の事情で変わるため、迷う場合は税務署か税理士に確認してください。
還付を受けるための申告は5年さかのぼってできる
税金を払いすぎていて、確定申告で取り戻すための申告を還付申告といいます。国税庁によると、還付申告はその年の翌年1月1日から5年間提出できます(出典 国税庁 No.2030 還付申告)。
還付申告は2月16日より前から提出できます。年の途中で退職して再就職していない、医療費が多くかかった、といった場合は、過去の分も含めて確認してみる価値があります。(還付申告は期限が長いので、去年の医療費控除をし忘れた場合も間に合います)
確定申告が必要な人が申告しなかった場合は、還付申告とは扱いが異なり、期限後申告として無申告加算税や延滞税がかかることがあります。期限を過ぎた場合の扱いは確定申告の期限を過ぎたらどうなる?で説明しています。
確定申告は自分でできるが、事業の所得がある人は税理士に頼む人も多い
給与と少額の副業だけであれば、国税庁の確定申告書等作成コーナーやe-Taxを使って自分で申告する人が多数派です。e-Taxでの進め方はe-Taxで確定申告する手順にまとめています。
副業が事業の規模になったら税理士への依頼を検討する
副業の売上が数百万円規模になる、青色申告を始める、経費の扱いに迷う取引が増えた、という段階になると、確定申告を税理士に頼む人が増えます。確定申告だけを依頼する場合の費用は、白色申告で5〜10万円、青色申告で10〜20万円程度が目安です。費用の内訳は確定申告だけ税理士に頼む費用で紹介しています。
確定申告の時期が近づくと、税理士事務所は新しい依頼を受けにくくなります。依頼を考えている場合は、年明けより前の11〜12月のうちに相談しておくのが無難です。条件に合う税理士を探すなら、無料の税理士紹介サービスで、副業の内容と予算を伝えて候補を紹介してもらう方法もあります。
最後に
年末調整は会社が行う給与の精算で、確定申告は本人が1年分の所得をまとめて計算する手続きです。会社員でも、副業の所得が20万円を超える人や、給与が2,000万円を超える人、2か所から給与を受け取っている人は確定申告が必要になります。医療費控除やふるさと納税の控除を受けたい場合も、年末調整では済まないので確定申告をします。
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