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確定申告

夜職の無申告を自分から申告する方法|何年分さかのぼるか・税金と費用の目安

夜職で何年も確定申告をしていない場合は、申告していない年分を「期限後申告」として、自分から税務署に出します。税務署が税金を決められるのは原則5年前の分までなので、さかのぼるのは最大5年分が目安です。税務調査の通知が来る前に自分から申告すれば、上乗せされる無申告加算税は5%で済み、調査を受けてからの15〜30%と比べて負担がずっと小さくなります。

この記事では、何年分をどう申告するか、記録が残っていない年の収入の集め方、年収300万円で3年分を申告した場合の税金の目安、税理士に頼む費用をまとめました。

申告していない年分は、さかのぼって「期限後申告」として出せる

確定申告の期限(翌年3月15日)を過ぎても、申告書は出せます。期限を過ぎて出す申告を期限後申告といい、出し方は普通の確定申告と同じです。過去の年分は、その年の制度(基礎控除の額など)で計算します。

さかのぼるのは最大5年分が目安

税務署が申告の無い人の税金を決められる期間は、原則として申告期限から5年です。偽りや不正な行為で税金を逃れていたと判断されると、7年に延びます。自分から申告する場合も、この5年分を目安にそろえるのが一般的です。

何年分を出すかで迷ったら、税理士に相談すると、記録の残り方や収入の額に合わせて判断してくれます。(「直近の1年分だけ出しておけば大丈夫」という考え方は、残りの年分が後から見つかるので勧められません)

調査の通知が来る前なら、無申告加算税は5%

期限後申告をすると、本来の税金に無申告加算税が上乗せされます。割合は、いつ申告したかで大きく変わります(令和6年1月1日以後に申告期限が来る分)。

申告したタイミング 無申告加算税
調査の事前通知の前に自分から申告した 5%
事前通知の後、調査の前に申告した 10%(50万円超の部分は15%、300万円超の部分は25%)
調査を受けた後に申告した、または決定を受けた 15%(50万円超の部分は20%、300万円超の部分は30%)

期限から1か月以内に自分から申告して全額を納めた場合は、過去5年以内に無申告加算税などを受けていないといった条件を満たせば、無申告加算税はかかりません(出典 国税庁 No.2024 確定申告を忘れたとき)。収入をわざと隠していたと判断されると、さらに重い重加算税になることもあるので、自分から申告することに大きな意味があります。

年収300万円で3年分なら、所得税はおよそ24万円

夜職で業務委託として働き、毎年300万円の報酬を受け取っていた人が、令和5年分から令和7年分の3年分をまとめて申告する場合の目安です。報酬の2割を経費とし、控除は基礎控除だけで計算しました。

年分 基礎控除 所得税(復興特別所得税を含む) 無申告加算税(5%)
令和5年分 48万円 約9.8万円 4,500円
令和6年分 48万円 約6.7万円(定額減税3万円の後) 3,000円
令和7年分 88万円 約7.8万円 3,500円
合計 約24.3万円 11,000円

令和6年分は、所得税から1人3万円を差し引く定額減税がありました。基礎控除は令和7年分から見直され、所得132万円超336万円以下の人は88万円になっています(出典 国税庁 No.1199 基礎控除)。このほかに、納めるのが遅れた期間に応じて延滞税がかかります。延滞税は納期限の翌日から2か月を過ぎると年9.1%(令和8年中)で、3年前の分だと本税の2割前後になることがあります(出典 国税庁 No.9205 延滞税について)。延滞税は申告のあとに税務署から金額が知らされます。

所得税とは別に、住民税と国民健康保険料もさかのぼって計算し直され、あとから市区町村から請求が来ます。所得税の3倍前後の額が住民税と保険料で来ることもあるので、合計で考えておく必要があります。目安は夜職の住民税と国民健康保険はいくら?で計算しています。

記録が残っていない年は、口座とお店の記録から収入を組み立てる

何年も前の分は、明細を捨ててしまっていることも多いです。その場合は、残っている記録から1年分の報酬を組み立てます。

  • 報酬を振込で受け取っていた分は、銀行の入出金の明細(ネットバンキングなら過去分も見られることが多い)
  • 働いていたお店に、支払明細や報酬の記録の再発行を頼む
  • 出勤の記録(シフトのアプリ・手帳・お店とのLINE)と、1日あたりの平均の報酬
  • 源泉徴収されていた人は、お店が出す支払調書

どうしても正確な額がわからない年は、出勤日数と平均の報酬から、説明できる根拠を付けて見積もります。少なめに見積もると後で指摘を受けるので、迷ったら多めにしておくのが安全です。経費も、残っている領収書や、交通費のように記録から説明できるものを入れます。

自分で申告するなら、4つの手順で進める

1年分ずつ、報酬と経費を集計する

年分ごとに、1月から12月までの報酬の合計と経費の合計を出します。複数のお店で働いていた年は、全部のお店の報酬を合わせます。

国税庁の作成コーナーで、年分を選んで申告書を作る

国税庁の「確定申告書等作成コーナー」は、過去の年分の申告書も作れます。年分を選んで画面の案内に沿って入力すれば、その年の制度で税額が計算されます。e-Taxでの出し方は確定申告をネット(e-Tax)でするやり方にまとめました。

全部の年分を出して、税金を納める

申告書を出したら、本税を納めます。延滞税と無申告加算税は、あとから税務署から通知が来ます。一度に払えない場合は、税務署に相談すれば分割で納める方法(換価の猶予など)を案内してもらえます。払えないからといって申告を遅らせると、延滞税が増えるうえに、自分から申告したことにならなくなる恐れがあります。

今年の分からは、期限内に申告する

過去の分を整理したら、今年の分からは3月15日までに申告します。毎月の報酬から4分の1前後を取り分けておくと、翌年の支払いに困りません。

2年分以上あるなら、税理士に頼むほうが早くて確実

1年分だけなら自分でもできますが、2年分以上ある人や、記録が足りない年がある人は、無申告の解消に慣れた税理士に任せたほうが早く確実に終わります。税務署との連絡も代わりにしてもらえます。

事務所 料金(1年分) 特徴
税理士法人century partners(無申告相談サポート) 58,000円〜(売上高などで変動) 無申告の解消が専門。申告代行実績2,300件超
税理士法人松本 88,000円(税込) 水商売・風俗の専門。税務調査の対応に強い
夜tax 88,000円(税込・年商による加算なし) ナイトワーク専門。全国対応・24時まで受付

料金は1年分ずつかかるのが一般的なので、3年分なら20万〜30万円前後を見込んでおきます(2026年11月に各事務所の公式サイトで確認)。複数年をまとめて頼むと割り引く事務所もあります。各事務所の詳しい紹介はメンエスの確定申告と税金、キャバクラに強い税理士おすすめ5選、風俗業の税務に強い税理士にまとめています。

税務署から連絡が来てからでは、自分から申告したことにならない

国税庁は新しいシステム(KSK2)で、お店の帳簿・支払調書・口座の情報などの突き合わせを進めています。お店に税務調査が入れば、そこで働いていた人の報酬の記録もまとめてわかります。詳しくはKSK2で夜職の無申告はバレるにまとめました。

税務署から調査の連絡が来たあとに申告すると、無申告加算税は10%以上になり、5%で済むのは連絡が来る前だけです。「いつかやろう」と思っている人ほど、連絡が来る前の今が、いちばん負担の小さいタイミングです。期限を過ぎた申告の一般的な扱いは確定申告の期限を過ぎたらどうなる?でも説明しています。

最後に

夜職で申告していない年がある人は、期限後申告として、最大5年分を目安に自分から申告します。調査の通知が来る前なら無申告加算税は5%で済み、年収300万円で3年分なら所得税はおよそ24万円、これに延滞税と、あとから来る住民税・国民健康保険料が加わります。記録が残っていない年も、口座の明細やお店の記録から組み立てられます。

2年分以上ある人や、記録が足りない人は、無申告の解消に慣れた税理士に任せるのが確実です。税理士ドットコムの無料紹介サービスでは、無申告の対応ができる税理士を、条件を伝えて無料で紹介してもらえます。

この記事の作り方

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