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税理士の見積書で確認する項目|顧問料・決算料・記帳代行の内訳と相場
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税理士の見積書を比べるときは、月額顧問料ではなく、決算料や記帳代行などを足した年間の総額で比べます。月額が安く見えても、決算料が高かったり、記帳代行や消費税の申告が別料金だったりして、年間では割高になることがあるからです。
この記事では、見積書に出てくる項目ごとの相場、見積書で抜けやすい費用、税込か税抜かの確認、複数の事務所を比べる手順をまとめました。
見積書は月額ではなく年間総額で比べる
税理士の費用は、毎月払う顧問料と、年1回払う決算料に分かれているのが一般的です。月額だけで比べると、決算料の差を見落とします。
月額が安い事務所ほど、決算料が高めに設定されていることがある
たとえば、売上1,000万円以下の法人で、次の2つの見積もりが出たとします。
| 項目 | A事務所 | B事務所 |
|---|---|---|
| 月額顧問料 | 1.5万円 | 2.5万円 |
| 決算申告料 | 25万円 | 10万円 |
| 年間総額 | 43万円 | 40万円 |
月額だけ見るとA事務所の方が1万円安いですが、年間ではB事務所の方が3万円安くなります。(広告で目立つのは月額の方なので、こうした差は見積もりを並べてみないと気づきにくいです)
年間総額は「月額×12+年1回の費用」で計算する
見積書を受け取ったら、毎月かかる費用を12倍し、決算料や年末調整など年1回の費用を足して、年間の総額を出します。複数の事務所を比べるときは、この年間総額を横に並べるのが一番分かりやすい方法です。
見積書に出てくる項目と相場の一覧
税理士の見積書によく出てくる項目と、それぞれの相場をまとめました。金額は当サイトのほかの記事で調べた範囲の目安で、地域や事務所の方針によって変わります。
| 項目 | 頻度 | 個人事業主の目安 | 法人の目安(売上1,000万円以下) |
|---|---|---|---|
| 月額顧問料 | 毎月 | 1〜3万円 | 1.5〜2.5万円 |
| 決算申告料(確定申告料) | 年1回 | 5〜20万円(年商による) | 10〜15万円 |
| 記帳代行 | 毎月 | 5,000〜1万5,000円 | 1〜2万円 |
| 年末調整 | 年1回 | 従業員1人あたり2,000〜3,000円 | 同左 |
| 償却資産申告・法定調書 | 年1回 | 事務所によって顧問料に含むか別料金 | 同左 |
| 消費税申告 | 年1回 | 事務所によって決算料に含むか別料金 | 同左 |
項目ごとの詳しい相場は、法人の税理士顧問料の相場、個人事業主が税理士に払う費用の相場、記帳代行の月額費用、年末調整を税理士に依頼する費用で紹介しています。
見積書で抜けやすいのは、記帳代行・年末調整・消費税申告
見積書に書かれていない項目は、契約後に追加料金として請求されることがあります。次の3つは、見積もりの段階で「含まれているか」を必ず聞いておきたい項目です。
記帳代行は、取引の量で料金が変わる
記帳代行は、1か月の仕訳の数(取引の件数)で料金が決まる事務所が多いです。見積もりの時点で想定した仕訳数を超えると、料金が上がる仕組みになっていることがあります。見積書に「月◯仕訳まで」と書かれているかを確認し、自分の取引の量と合っているかを見ておくと安心です。(通販や飲食店のように取引の件数が多い業種は、ここで差が出やすいです)
年末調整と法定調書は、従業員を雇うと毎年かかる
従業員やアルバイトを雇っている場合、年末調整、給与支払報告書、法定調書合計表の作成が毎年必要です。顧問料に含めている事務所と、別料金の事務所があります。今は一人でも、雇う予定がある場合は、その時点でいくらかかるかも聞いておくとよいでしょう。
消費税の申告は、課税事業者になると追加になる
売上が1,000万円を超えて消費税の課税事業者になった場合や、インボイスの登録をした場合は、消費税の申告が必要になります。消費税申告を決算料に含めている事務所と、別料金で数万円かかる事務所があります。消費税の申告が必要になる時期は消費税の申告はいつから必要?で確認できます。
見積書の例で年間総額を出すと、月額2万円が年55万円になる
売上800万円・一人社長の会社が、記帳代行つきで顧問契約の見積もりを取った場合を例にします。見積書に次のように書かれていたとします。
| 見積書の記載 | 金額(税抜) | 年間の金額 |
|---|---|---|
| 月額顧問料(月1回のオンライン面談) | 月2万円 | 24万円 |
| 記帳代行(月100仕訳まで) | 月1万円 | 12万円 |
| 決算申告料(法人税・地方税) | 年12万円 | 12万円 |
| 年末調整・法定調書 | 年2万円 | 2万円 |
| 合計(税抜) | ― | 50万円 |
| 合計(税込) | ― | 55万円 |
広告には「月額2万円」と出ていても、実際には年間で55万円になる計算です。この見積書で確認しておきたいのは、記帳代行の「月100仕訳まで」を超えた月にいくら加算されるか、消費税の申告が必要になったときに決算申告料がいくら上がるか、の2点です。(見積書の金額は例で、実際の金額は事務所によって変わります)
2〜3事務所から見積もりを取ったら、上の表と同じ行で並べ直します。項目の名前は事務所によって違うので、「毎月かかるもの」「年1回かかるもの」「条件によって追加されるもの」の3つに分けて書き直すと比べやすくなります。
月額顧問料に含まれる相談の範囲は事務所ごとに違う
月額顧問料は「何をしてもらえる料金か」が事務所によって違います。同じ月2万円でも、含まれる範囲が違えば実質の価格は変わります。
- 面談の回数(毎月・3か月に1回・決算時のみ)と、面談の方法(訪問・オンライン)
- メールやチャットでの相談に回数の制限があるか
- 月次の試算表を作ってもらえるか
- 役員報酬や設備投資の相談、融資の相談が含まれるか
面談の回数が多いほど顧問料は高くなりますが、一人社長や小さな事業であれば、毎月の訪問がなくても困らないことが多いです。(面談の回数より、聞きたいときにすぐ返事がもらえるかの方が満足度に響きます)面談の頻度の考え方は顧問税理士との面談は月何回が適切?で紹介しています。
見積書が税込か税抜かを確認する
税理士の報酬には消費税がかかります。見積書の金額が税込なのか税抜なのかで、年間の総額は10%変わります。
国税庁は、事業者が消費者に対してあらかじめ価格を表示する場合には、消費税を含めた総額の表示を義務付けています(出典 国税庁 No.6902 「総額表示」の義務付け)。ホームページの料金表は税込で書かれていることが多い一方、事業者向けに出す見積書は税抜で書かれていることもあります。複数の事務所を比べるときは、すべて税込にそろえてから並べてください。(年間40万円の見積もりなら、税込か税抜かで4万円の差になります)
見積もりを取る前に、依頼範囲と取引の量を伝えておく
事務所ごとに見積もりの前提がばらばらだと、金額を比べても意味がありません。問い合わせのときに、次の情報を同じように伝えておくと、比べやすい見積もりがそろいます。
- 個人事業主か法人か、年商(見込みでも可)
- 1か月の取引のおおよその件数
- 帳簿を自分でつけるか、記帳代行を頼みたいか
- 従業員の人数と、雇う予定の有無
- 消費税の課税事業者か、インボイスの登録をしているか
- 面談の頻度の希望(毎月・3か月に1回・必要なときだけ)
同じ条件を伝えて見積もりを取りたい場合は、無料の税理士紹介サービスを使うと、条件を一度伝えるだけで複数の税理士を紹介してもらえます。紹介を受けた税理士と契約しなくても費用はかかりません。
見積書のほかに、契約書で解約と追加料金の条件を確認する
見積書で金額を比べたら、契約前に契約書の内容も確認します。見積書には書かれない条件が、契約書に入っていることがあるからです。
| 確認すること | 見るポイント |
|---|---|
| 解約の条件 | 何か月前に申し出れば解約できるか、違約金があるか |
| 追加料金の条件 | 仕訳数や売上が増えたときに料金がどう変わるか |
| 業務の範囲 | 税務調査の立会い、融資の相談などが含まれるか |
| 料金改定 | 顧問料の見直しがどんなときに行われるか |
契約書で確認したい項目は税理士との顧問契約で確認すべき契約書の項目にまとめています。契約後に顧問料を上げられた場合の対応は税理士の顧問料を値上げされたときの対処で紹介しています。
解約の申し出は、決算月の数か月前までに伝えるのが一般的
顧問契約の解約は、1〜3か月前までに申し出る取り決めになっていることが多いです。決算の作業が始まってから解約を申し出ると、その期の決算料をどちらの税理士に払うかで揉めることがあります。乗り換えの可能性がある場合は、契約書の解約の条項と、決算の途中で解約したときの料金の扱いを、契約前に確認しておくと安心です。(契約するときに解約の話をするのは気が引けますが、聞いて嫌な顔をする税理士はまずいません)
税務調査の立会いは別料金のことが多い
顧問契約を結んでいても、税務調査の立会いは1日あたり3〜5万円程度の別料金になっている事務所が多いです。(調査は数年に一度あるかないかなので、見積もりの段階では見落とされがちです)立会いの費用の相場は税務調査に税理士の立会いは必要?で説明しています。
見積もりが予算を超えたら、依頼する範囲を減らして出し直してもらう
見積もりが予算を超えた場合、値引きを頼むより、依頼する範囲を見直して出し直してもらう方が話が進みやすいです。税理士の報酬は作業量に応じて決まっているため、作業を減らせば金額も下がります。
| 見直す内容 | 下がる費用の目安 |
|---|---|
| 記帳を自分で行い、会計データを共有する | 記帳代行の月額分(月5,000〜2万円程度) |
| 面談を毎月から3か月に1回に減らす | 月額顧問料が数千円〜1万円程度 |
| 訪問をやめてオンラインにする | 交通費や移動時間の分 |
| 顧問契約をやめて決算と申告だけにする | 月額顧問料の大部分(期中の相談はできなくなる) |
今の税理士の顧問料が高いと感じている場合も、同じ考え方で見直しを相談できます。いきなり解約を切り出すより、ほかの事務所の見積もりを手元に用意したうえで、範囲の見直しを相談した方が角が立ちにくいと思われます。乗り換えを考える場合の進め方は税理士の乗り換えガイドにまとめています。
安い見積もりを選ぶときは、含まれる範囲と返信の速さで判断する
年間総額が安い見積もりを選ぶこと自体は、悪い判断ではありません。年商が小さいうちは、月額1万円台で必要な範囲をきちんと対応してくれる事務所も多くあります。
安い見積もりを選ぶときに確認しておきたいのは、自分が頼みたい作業が金額の中に含まれているかと、質問したときに数日以内に返事がもらえるかの2点です。初回面談のときに、「質問したら何日くらいで返事をもらえますか」と聞いておくと、契約後のやりとりのイメージがつかめます。安い税理士を選ぶときの考え方は格安税理士の料金比較と失敗しない選び方でも紹介しています。
最後に
税理士の見積書は、月額顧問料だけで比べると判断を誤ることがあります。決算料・記帳代行・年末調整・消費税申告を足した年間総額を税込でそろえ、何が含まれていて何が別料金なのかを確認したうえで比べるのが確実です。契約書の解約条件や追加料金の条件もあわせて見ておくと、契約後に想定外の請求を受けにくくなります。
今の顧問料が高いと感じている方や、これから見積もりを集める方は、税理士ドットコムの無料紹介サービスで、条件をそろえて複数の税理士を紹介してもらえます。今の税理士からの乗り換えの相談もできます。
この記事の作り方
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